コアコンセプト

Machinery アプリケーションを通じて Foundry のプロセスマイニング機能を利用する前に、以下の概念を理解することをお勧めします。

プロセス

現実のプロセスでは、ドキュメント、機器、個人などのエンティティが時間とともに状態を遷移します。各 Machinery リソースは、このようなプロセスを描き出します。これらのエンティティ、別名 "プロセスオブジェクト" は、ユーザーのオントロジー内のオブジェクトタイプ、例えば Claim、Flight、または Employee によって表現される必要があります。そのオブジェクトタイプは、オブジェクトの状態を示す String 型のプロパティを持つ必要があります。通常、それは追加のプロパティと関連するオブジェクトタイプへのリンクを持つでしょう。

状態

状態はオブジェクトの現在の条件を表し、パーセルに対しては 進行中 や 配達済み などです。可能な状態は列挙可能でなければならず、例えば、Name プロパティは可能な名前が無限に存在するため適していません。

すべてのオブジェクトは一度に一つの可能な状態になければなりません。これが適用されないシナリオは、プロセスの階層としてモデル化するべきです。例えば、従業員は 新入社員 や オンボーディング完了 の状態を持ち、同時に 支払済み や 支払い待ち の状態を持つことができます。これらは別々のプロセスであるべきで、親プロセスが従業員が 支払い可能 であるかどうかを追跡するべきです。

オントロジー内では、状態は State プロパティの String 値としてコード化されます。この値は Machinery の state-id と同等です。グラフ上に表示される状態ラベルを変更するには、表示名を上書きできます。

遷移

プロセスオブジェクトは一つの状態から別の状態に遷移します。Machinery では、どの遷移が期待されるかを定義できます。これにより、データのノイズをフィルター処理するか、最も一般的なパスに焦点を当てることができます。

アクション

アクションは遷移の原因です。Foundry で発生する状態の変化は、Action によって定義されます。それらを Machinery グラフにインポートし、プロセスにおける役割を特定することができます。外部で発生する変化については、この情報がしばしば利用できないですが、アクションノードに名前と説明を注釈付けしてコンテキストを提供できます。Machinery は次の情報をアクションについて利用します：

入力状態：アクションの前にオブジェクトが許される状態。Foundry アクションの場合、これは submission criteria を通じて強制できます。アクションノードの Details パネルで既存の提出基準を確認できます。
出力状態：アクションの後に可能な結果の状態。例えば、エンティティを抽出する アクションは 抽出成功 または 抽出失敗 を結果としてもたらすことができます。出力状態は強制できませんが、Machinery のアクションロジックを確認することで手動で検証できます。
Automations (Foundry アクション)：アクションは、特定の条件が満たされたときに自動的に実行できます。例えば、プロセスオブジェクトが特定の状態になったときなどです。Machinery では、関連する Automations を簡単に見ることや作成することができます。

プロセスログ

プロセスの性質上、エンティティは時間の経過とともに変化します。オブジェクトが取るパスのパターンや、状態に平均的にどのくらいの時間を費やすかなどの指標を特定するためには、変化の時間次元を捉えることが不可欠です。Machinery は Process Log オブジェクトタイプを維持して変化を追跡します。これは外部のデータソースまたは Foundry アクションからのものです。このオブジェクトタイプは他のオブジェクトタイプと同様に見ることができますが、ユーザー自身でそれに対するアクションを定義するべきではありません。

Foundry の外部で進行するプロセスについては、どのオブジェクトが何時にどの状態になったかを追跡するチェンジログ形式のデータセットを提供する必要があります。Machinery は、分析と監視に必要な導出を計算します。例えば、前の状態、それらの間の期間、オブジェクトがこの時間までに取ったパスなどです。

インタラクションモード

Machinery アプリケーションには二つのインタラクションモードがあります。View モードでは、プロセス定義のすべてのコンポーネント、つまり状態、遷移、アクション、自動化を調査することができます。ユーザーはグラフ上のノードを移動できますが、それらの位置は永続化されません。このモードでは、すべてのプロセスオブジェクトの現在の状態も表示されます。

アプリケーションヘッダーから Edit モードに入ることで、プロセス定義に変更を加えて保存することができます。デフォルトでは、Machinery リソースは View モードで開きます。

Machinery は、アクションがプロセスにどのように関連するかについて、二つの異なる視点を提供します。

状態中心の視点：グラフはオブジェクトが取り得るパスに焦点を当てています。ノードは状態を表し、接続線は状態間の可能な遷移を記述します。特定のエッジを選択することで、これらの遷移を担当するアクションを調査できます。これはアプリケーションの View モードでのデフォルトの視点です。
アクション中心の視点：グラフはアクションがプロセスにどのように影響を与えているかを説明します。状態とアクションの両方がノードとして表現され、スタイリングが異なります。接続線はアクションの期待される入力状態と出力状態を記述します。二つの状態の間にアクションが設定されていない場合、接続線は単純に可能な状態遷移を表します。これは Machinery アプリケーションの Edit モードで唯一サポートされている視点です。View モードでは選択可能です。